愚直

友人Yと先週末に飲んだ。彼は中学校からの友人で、高校の2年間は同じクラスだった。ただしかつてからそんなに親しかったというわけではなく、3年前のクラス会で再開してから親交を深めたという感じだ。さらに1年半ほど前に近所に越してきて、同い年の子どもをもつこともあり、たまに家族で家を行ったり来たりしている。

その彼は父が医者なのだが、建築を志し、大学卒業後建築事務所に就職した。さしたる顧客基盤もないまま4年で独立してしまい、現在も個人の設計事務所を営んでいる。最近は商売の規模も拡大してきたようだ。すごい。尊敬に値する。

そんな彼に今回言われたのは「おめーは愚直ではないよなぁ。俺は愚直ってのが好きなの」ということだった。なるほど、ころころ職業を変えているのでそう見えるようだ。「俺は建築というものを考えるためにずっと設計士という商売をやっているのだ。なのにお前は・・・」という趣旨の発言だ。そこで「でも追いかけているのはずっとメディアとコミュニケーションなのだ」という話を転職遍歴と併せてした。

十分に納得したかはわからないが、ずっと話を聞いていた彼から最後は「そーなんだ。許す」という言葉をもらった。

なるほど若くして希望の職業について、興味あることを追い続けられるのはすばらしい。だが、好き嫌いとは別に向き不向きというのもあるし、人は変化するものでもある。それに他人に自分の人生がどう思われるかということを念頭にやっているわけでもないし。むろん、Yに「許して」もらったのは嬉しいけどさ。