ビーフストロガノフと野球

休職中の身だけど,決して毎日夕飯を作るわけではない.大体,週に1度は惣菜を買ってきて,同じく週に1度は作る.残りは妻に任せている.私も週に1度ぐらいは遅いし.作るといってもメニューを考えるのが実は一番面倒なので,ほぼカレー,シチューなどルーを使えるようなものか,スパゲッティとか一品ものになる.それとサラダというパターンが多い.いわゆる「男の料理」を作らせたらけっこううまいと思うが,なにしろ要領がわるいし,レパートリーも少ない.

ところが師走になると妻の夜の外出が多くなる.なので,どうしても父親メニューの比率が高くなる.そんなこともあり,妻の帰宅が遅いことがわかっていた先日は「今日もまたカレーなの.パパはカレーしか作れないから」と息子に言われた.不本意である.

が,残念ながら,料理レシピを開くだけの根性も時間もなく,スーパーで見かけたルーを利用して,ビーフストロガノフを作ることにした.名前がずいぶんとカレーと異なる響きを持つこともこのメニューを選んだ理由のひとつだ.

ところが,帰ってきて不思議な響きを持つ「ビーフストロガノフ」が入ったなべを覗き込んだ息子はぼそっと「カレーと似ているじゃん」とのたまった.「じゃん」の響きが,「また同じかよー」と聞こえてちょっとムカついた.思わず「じゃー,カレーと似ているから食べないのね」と言うと,「ただ似ていると言っただけだ」「食べる」という.もう立派な大人だなと思いつつ,気を使わせて申し訳ない気持ちになった.が,許せ.私は私なりに考えたのだ.

さて,今日は寒風吹きすさぶ中,野球をした.室内でのキャッチボールはもうかなり上達した.グローブがまだ硬いせいで,キャッチはまだまだだが,4メートルぐらいの距離でしっかり上投げでボールを放るようになった.今日はバッティングに挑戦したが,なかなか当たるようになってきた.ただしちょっと重めのバットを使っていることもあり,さすがに70球もやると,腕の筋肉が疲れてくるようで,バットが振れなくなってくる.

しかし,芯にボールがあたり父親が取れないような打球を飛ばすことはこの上ない快感のようだ.その嬉しそうな表情は「ただ似ていると言っただけだ」「食べる」といったときのそれとは明らかに異なる.こいつ,本当に楽しいんだなと思わせる無垢な表情である.もっと遊ばないとね.

追伸:いやー悪い.来年1年だけ,クソ忙しいのを我慢してね.