フィードビジネス・カンファレンス

12月8日のことだが,フィードビジネス・カンファレンスに参加してきた.そうそうたるメンバーの話を聞いて非常に面白かった.また,サイボウズという会社に優秀な人材が集まってきているな,という印象も持った.

全体の印象を述べると,「あー,また6年たってそういう話になってきたのね.でも儲かるの?フィード広告って.よほどスケール出して自動化しないとだめじゃないの」という感が強かった.まだよく考えておらず,直感に頼っているのだけれど.

1999年にインターネット広告が声高に叫ばれ,双方向性という面からクリック保証型なんてものがあったのだが,それは2001年には淘汰された.私も含めて「対テレビ」という風潮が世の中にあったけど,しょせんそれはメディアの分化の話であった.補完関係だよね.クライアントからすると電波も紙もネットも扱っているところと付き合いたい.

そこからネット広告は片方でリッチメディアの方向に流れて,期間保証とインプレッション保証が主流の収益モデルになった.また別の流れとして,テキスト主体のPPC広告というものが出てきた.

このPPC広告はそれなりに新しいもので,概念的には「PushからPullへ」ということになる.
http://www.johnhagel.com/paper_pushpull.pdf

でも,フィードというのは,ページからコンテンツ(エントリー),あるいは情報を分離させたものだから,デジタルの世界のなかがまた細かくなっただけの話だよねという気もする.アナログの広告の世界にデジタルの広告の世界ができたときに比べると,そのインパクトは小さい.特に頼む側からすると,「同じネットなのだから,バナー広告もフィード広告もよろしくね」ということになる.その一方で,媒体(エントリー)数は爆発的に増えるから,こういうフィード広告の専門会社が儲かるのかはわからない.まあ,CAとかCCIに買われるために当面ローコストでなんとかやっているという解釈もできるけど.

結局のところ,行き着くところは,どれだけユーザーのAttentionをひきつけられるかという話になる.PPC広告でも検索連動型は確かにCTRは高いだろうけど,コンテンツマッチ広告のCTRだって,2001年にクリック保証型のバナーが死んだように,下がっていくのかもしれない.

ちなみに最近翻訳が出た

アテンション!

アテンション!

を読んでみた.2001年にアメリカで出た本で,本質的な議論をしているのでいまだに使える本だけど,驚いたことにGoogleの話は一度も出てこない.

その上で,

ザ・サーチ グーグルが世界を変えた

ザ・サーチ グーグルが世界を変えた

を読むとGoogleのすごさがわかる.

余談だけど,ここら辺の広告まわりをしっかりリサーチしようとすると,Googleが邪魔なんだよね.あの会社にPh.Dの連中が行く理由のひとつになるよね.分析したいデータは山ほどあるわけだから.むろん,Googleが取るPh.D情報科学系が多いのかも知れないけれど.

さらにもうひとつ言えば,次こそは広告モデルから卒業するような技術革新がほしいよね.通貨の世界におけるPicsyと連動するようなものが出てくると面白い.Picsyも技術革新だけど,結局脳みそとコンピュータがつながってという話になるのだろう.