日本代表をめぐる情報

ナンバー625号、日本代表「彼らの証言」を買って読んだ。

ジーコは田中が出場停止になったので、システムを4-4-2に変更したと言っているらしい。ここでの驚きは田中ってそんなにフィットしているの?信頼厚いの?ということ。この点については幾人かのジャーナリストも書いていて、中田が使いたいから4-4-2にしたのが本心だろという分析もある。

で、田中のポジションを試合慣れした加地にやらせて、これまた出場停止の三都主のところに三浦を使ったというのがイラン戦。

ところが当の中田もテレビ取材では「システムは関係ない。もっと1対1で勝てないと」と言っていたものの、「4-4-2はやりにくかった」と宮本に洩らしていたらしい。それで二人は揃ってジーコバーレーン戦での3-5-2システムを進言したというわけだ。

ここで指摘されるのはジーコの指揮官としての力量。田中がいないから4-4-2にしたとしても、中田にあわせて4-4-2にしたにしろ、結果はダメ。中田とはろくにコミュニケーションも取れていなかったことになる。

良心的なジャーナリストは、勝ち点6をとって、4-4-2がダメということがわかったから良しとしようということを書いているが、イラン戦で同点に追いついたあとや、バーレーン戦の最後の10分の采配を疑問視して、やはりジーコの後釜は常に考えておきべきだとか、トルシエ時代の代表の方が遙かに強いと言い切る輩もいる。

采配については、確かに追いつかねばならない展開と、勝ち越さなくてはならない展開についてはジーコは手を打てる。しかし逃げ切るのか、引き分けに持ち込むのかという追われる立場にたった場合は下手だ。それと試合中のシステム変更もできない。そういう意味では落第点。でも自分で意見する選手を育てるという意味では及第点。最終的な彼への評価は下せないが、軍隊組織でさえ、権限委譲して現場の判断に任せる部分が増えている時代なのだし、アメフトと違うのだから、中央集権型のマネジメントがサッカーチームにとって絶対に良いとも言えない。

あとわかったのは、バーレーン戦の後半について。中村は少し左にポジションを変えて、三都主との連携に注力したと同時に、右サイドに大きなスペースを空けてそこを中田に使わせるようにしたということ。たしかに中田の縦へのドリブルが数回あり、ディフェンダーを引きつけた上で加地や三都主にパスが出てきたがそういうことだったらしい。

一応3-5-2で予選は行くということは決まったようだが、中田と中村を併用しながら得点力をどう上げていくのか(アジアカップでは中村−玉田だけで随分点を取っていた)、中田に対する国内組のゲートキーパーになった福西と小野をどう使い分けるのかなど、依然課題はある。