原体験的行動は変えるのが難しい

このゴールデンウィークは九州を「旅行」する予定である。旅行というのは帰省ではないということだ。福岡にある妻の実家に帰ることがここ数年では多くなっているが、今回は事情があり、家族3人で旅行をすることにした。

今回の旅行は各地に1泊ずつする。往復の飛行機の乗り降りの場所が違う。途中でJRもレンタカーも利用するというかなりのカスタムメイドの旅である。経路的にはほとんど一筆書きで、一番最後に非常に本数の少ないJRの指定席の予約が取れてこの一筆書きが完了するので、ちょっと心配だった。まあ、もしもの場合は引き返して九州新幹線に乗ることにすれば良かったのだが。

さて、旅のパーツそれぞれの情報収集や予約をどのようにして行ったかということを書いてみよう。

まず一番最初に予約したのが、2ヶ月前から予約可能な飛行機である。私は飛行機でも国内線というのはほとんど妻と結婚するまでは利用しなかったクチである。逆にいうと、ネットがある時代になってから国内線のチケットを購入するようになったということである。よって今回もwebで各社の値段を調べ、高けーなーと思いつつwebで決済。

ついで、宿屋。こちらは紙媒体もけっこう使う。持っていたガイドブックが「九州」という九州全域のもので、今回行く地方についての情報は必ずしも厚くない。ということもあり、別途紙のガイドブックを買う。

もちろん宿屋の一覧を見るために買ったわけではなかったが、このガイドブックの宿屋一覧を頼りにネットで検索をして調べる。ネットで予約ということも出来そうだったが、一つは連休期間で部屋がほぼ確実に売れるため、ネット用の在庫が確保されていない宿がほとんどであった。つまりネット決済向けにどの宿も時期によって、一定数の部屋を依然として割り振っている状況だということがわかった。在庫管理システムが少なくともネットについてはまだ統合化されていないということだ。中には楽天トラベルを使ってネットで予約できるところもあったが、宿屋のホームページから察するになんだか間違いが起きそうな予感をさせる程度のネット化なので、結局値段を良く調べずに電話で予約をしてしまう。

ちなみに国内旅行というのは中学生頃からかなり頻繁に行っていたのだが、当時はユースホステルを基礎として旅程もそれに合わせて組むということをやっていた。実はユースホステルの予約というのは電話で大体の空き状況を確認した後に、往復はがきでするものだった。ということもあり、宿屋はまずは紙媒体で情報収集というのが基本動作となっている。入り口は依然として紙で、そこで集めた情報をネットで補強するものの、最後の予約はやっぱり伝統的な電話である。これとほぼ同様のプロセスを踏んだのが、レンタカーである。

そして最後のJR。これは私がかつて軽い「鉄ちゃん」(車両系ではなくて、旅行系)であったことが明らかになった。最近は時刻表もかなりネットに載っているのだが、図書館で紙の時刻表をチェック。なぜ紙でチェックするかというと料金と距離と駅弁に関する情報を調べるためだ。

それで、実際に買うにあたっては1ヶ月前にJRの窓口に並ぼうとした。結局JRの駅まで行くのが面倒で、近所のJTBで済ませたが、http://www.tabi.eki-net.com/というJRがやっているサイトは見もしなかった。朝の10時に合わせて、私がJTBへ出かけようとするときに、妻から「ネットで出来るんじゃないの」と言われ、ハっとしたが、中学以来の行動がそのまま20年以上たっても繰り返されたわけだ。

たしかに当時は、種村直樹

とか、宮脇俊三
時刻表2万キロ (角川文庫 (5904))

時刻表2万キロ (角川文庫 (5904))

とか読んでいたからなぁ。紙の時刻表というのは当然、旅に持っていったのだが、地図と並んで私の想像力を非常にかきたてるものであった。

てなことを考えながら、モバイルECとか、やっぱそこそこ時間がかかる一方で、あと10年もすると相当な市場になるんだろうな、と考え、自分てけっこう新しい技術に対して吸収力がない方?って考えたのであった。