はてな社の考え方

1月にフォトライフ、ちょうど今日はブックマークという新しいサービスをローンチさせたはてなだが、先週ちょうどはてなの方に会って、こんな話を聞いてきた。

はてなのコアは人力検索にある。そういう意味ではgoogleの発想とは異なる。人の力を借りて、人がリンクをはる時の気持ちとか、アンテナにあるサイトを登録する時の気持ちも、relevantな情報の選択を行う時に入れていきたいというポリシー。人の知識をシステムで効率化するということで、システムで扱いやすい情報のみを利用するのではない。全部機械に任せるのではない。人力検索は人の知恵であり、はてなアンテナは人の興味であり、はてなダイアリーは人の歴史である。その資産をうまく使いたい。

その後、Wisdom of the crowds や Folksonomy ということばを引き合いに出しながら、「個人が自分の欲求、必要を満たすためだけに書いた情報が、共有されることでみんなの便利になっていくというのが面白い」という話に発展していった。

ただ、この話はメディアの世界、言って見れば情報の世界だけの話なので、面白いことは確かだが、直接的に人の情報接触以外の行動やライフスタイルというものに変化をもたらすわけでもない。

なので、私が注目している@cosmeに当てはめて考えてみる。なぜならば、情報によりモノが動く可能性があるからだ。仮にこのようなWisdom of the crowds がサイト上だけではなく、店頭でも表示できるようになり、多数の一群(crowd)が納得いく形で商品を購入し、その納得いく形で購入された商品の2割ぐらいに宣伝投下の多い大手化粧品以外の商品が含まれてくると、業界の常識が変わってくる。情報とモノの流通の変化が相互に共振していくとそこからの動きははやい。音楽業界は情報が商品そのものだから、すでに相当動きが加速しているというわけだ。

そこで問題になるのが、サイトとか店頭とかで、「一群」を納得いく購入に導くための情報を表示させるためのアルゴリズムである。また同時に、「一群」でしかないから、「納得いく購入に導くための情報」を何パターンも出さないといけない。つまり表示の技術だ。当店の売れ筋ベスト5というような固定的なPOPだけでは今と変わらない。

実は、このようなアルゴリズムと表示の方法というあたりの話もしたのだが、本日はここまで。いずれにせよ、そこは「かなり難しい」とのことである。

ちなみにはてなブックマーク、使ってみたのだが、いざ使い始めると、「自分にとってどのような位置づけのサイトをブックマークするとWisdom of the crowdsの恩恵を受けられるのか」ということを考えてしまった。ニュースサイトを登録してもしょうがないし・・・などと考えてしまったのだが、何も考えずに登録してもうまくいくというのが、実は一番面白いのだよな。あとは、まだアンテナとの違いが体感できていない。