ised@glocom参加
今回は、八田真行さんの「オープンソースの構造と力」が発表。聴衆を意識し、かなり基礎的なオープンソースの説明。
- 人間の内面には踏み込まない(価値観をさほど問わない)
- インセンティブを介した間接的制御
という面から環境管理型権力が働く空間ととらえる。逆にフリーソフトウェアは規律訓練型が働く空間ととらえる。
彼の結論は、
- 事前の制度設計はあまり重要でないのではないか
- 事後的にあまりコストをかけずにreviceできればそれでよいのでは
ということなのだが、オープンソースから導かれたこの結論の2点目が実はモジュール化と一致する点が興味深い。逆にモジュール化は事前の設計を重視する。
発表の最中に八田さんの「オープンソースの開発者コミュニティの活動は、ビジネスとつき合いだしても、依然本質的には変わっておらず、別にプロプライエタリなソフトウェアを一気に志向するようになったわけではない」という発言があった。
これを少し拡大解釈すると、情報価値再生産の仕組みは、経済価値再生産の仕組みとは独立ということである。つまり情報価値再生産の仕組みを考えることなく、収益の上げ方は自由にrevice可能ということ。
消費者発信型サイトに当てはめるとそうなのか?やっぱり広告ビジネスと、そうでないビジネスとでは志向する情報価値って違うのではないの?などと考える。
なぜならば、オープンソースソフトウェアは機能財でそれ自身が価値を持つが、消費者発信情報はそれ自体が価値を持たないから、やはり収益モデルに見合った集め方が必要になるのだよね。だから「ユーザーが集まれば、収益モデルは後からついてくる」と言っているSNS事業者に対しては、「たしかに広告事業は売上たつけど、ほかの事業に多角化するのは難しいのではないかい」と言いたい。
えー、当日の議論ですが、オープンソースという言葉の融通無碍さから、各人が勝手に自分の考える「オープンソース的」とは、見たいな感想の言い合いになっていていまいちでした。