巨人戦視聴率

日経産業新聞に載っていた。巨人戦の視聴率が4.2%だったという話。オリンピック番組に視聴者を持っていかれたという特殊要因があるこの数字らしいが、最近では10%には届かないというのが記事の伝えるところ。放映権料に対して広告収入が少なく、10%割れだと採算割れするらしい。

要因はこれら3つといったところか。

野球離れは私にはやや当てはまる。私が子どものころはスポーツといえば野球である。小学生低学年の時にヨーロッパにいて少しサッカーをやっていたが、帰国後は野球であった。「学校広場」という公立学校の校庭開放でみんなで遊ぶのだ。「バットベース」というのが当時の通称。プラスチックのバットでテニスの軟球を打つのだ。テニスの軟球は1つ250円したのを覚えている。これは貴重品。プラスチックのバットも各人が工夫を凝らし、テープを巻いたりする。本当に毎日野球ばかりしていた。結局、中学校からまたサッカーに戻ったのだが。

その後も10年たって会社勤めをはじめても、疲れて家に帰ればテレビは野球である。Jリーグは始まったけれど、97年のジョホールバルまではまだ野球の方がレベルが高いことは明らかだった。野球は圧倒的なコンテンツであった。ラジオ広告をスポンサーに売るのに、「チケット企画」というのもが94年にはあった。驚いた。これはラジオ広告を出してくれた広告主には××枚の巨人戦のチケットがおまけについてくるというものだった。しかし最近は野球を見なくなった。私の場合巨人離れという方が要因として強いが、野球は長すぎる。しかもテンポが遅い。

つづいて巨人離れ。小学校時代はみんなで自転車に乗って、王選手や柴田選手や高田選手の家に行った。球場に出かける彼らからサインをもらうのだ(長島は引退していた)。ということもあって巨人ファンだった。巨人に対して思い入れがなくなっていったのは、フリーエージェントで選手を買いあさるようになってからだ。買いあさるのはそれほど悪くないと思うのだが、チームとしての構想がない。ホームランバッターばかりはいらない。それが興ざめだった。友人にかなりの巨人ファンがいるが、彼も3年前には「さすがに応援するのがあほらしくなってきた」というようになった。

そして松井の離脱である。私は松井が好きだ。才能としてはイチローの方が上だろうが、それが逆にいい。決して不器用ではないと思うが、顔に不器用さが出ていてそれがいい。その彼の打席が回るイニングまでテレビを見ているというようなこともあったが、それも今はない。

最後にテレビ離れ。私は結構なネットバカなので、テレビを意識して見ないという部分もある。しかし、これは偏屈な人の態度である。今改めて書いていると、テレビ離れ(この場合は当たり前のように10%以上の視聴率を獲得してきた地上波放送ということになろうが)はやはりキラーコンテンツがなくなることから起きるのだということがわかる。またテレビがつまらないという以上に、テレビ以外にも浴びるというか触れるメディアやコンテンツがあるということなのだろうな。