はてなのビジネス

某所ではてなのビジネスについて聞く機会があった。

  1. コミュニティ事業
  2. 企業向けシステム開発事業

が柱で、

1.には「人力検索はてな」「はてなアンテナ」「はてなダイアリー/グループ」が、2.には「Q&Aエンジン」と「ダイアリーエンジン」の2つがある。2.には開発費と運用費があり、1.はポイント流通と広告がその収益源となる。

2.はQ&Aエンジンとして横河電機に収めたらしい。またダイアリーエンジンはふるる関西、MelmaBlogというクライアントがいるらしい。

1.の広告というのは人力検索の質問のページのテキストをGoogleAdSenseで読んで、回答のページに広告を出すということをやっている。今後はトップページにバナー広告も少し出していくという方針のようだ。またポイント流通からの収益というのは、たとえば質問を一つするときにシステム利用料を20円とるように、ポイントの流通があるときに、はてなに落ちるお金のことだ。ちなみにはてなダイアリー有料オプションというのもあるが、利用率は1%程度とのことである。

興味深い話としては

  1. はてな内で流通しているポイントは数千万円
  2. ポイントは換金できるので、一時に換金が集中すると困る
  3. ただし換金できるのは2000ポイント以上保有している人
  4. だいたい最初にクレジットカード決済の最低額の2000円を買う人が多い
  5. 回答の価値(値段)は自由に答えてもらった人が決められる
  6. これまでの回答最高金額は7000円
  7. 現在は1日に100程度の質問がある
  8. 質問するとはてなには20円入るので、1日2000円、1ヶ月で6万円の収入
  9. 1ヶ月で一番回答で稼ぐ人でも1万〜2万円
  10. 04年5月末現在で1.15億PV/月
  11. ダイアリーが8100万PV、アンテナが2600万PV、検索が750万PV
  12. 11万人のユーザーがいて、うちダイアリーが4.7万人(公開モードは70%)
  13. 楽天広場が20万ユーザーと言われている
  14. Netratingsによれば閲覧者は十数倍いるだろうとのこと
  15. 20代が47%、30代が29%、男性は70%

以下推測だが、会社全体としては黒字なのだろうな。社員数が5人で1人の給料プラス経費を500万円として2500万円。家賃が30万円としても支出は3000万円程度。システム開発は完全内製とのことなので、これ以上の売上は2.からありそうだ。一方、コミュニティ事業は赤字のような感じ。自作のサーバーやオープンソースソフトの利用で、情報管理コストはものすごく低く抑えられているように思われるが、とはいえポイント流通や広告で入る収入は500万〜1500万円ではないかな。2ちゃんねるのサーバー運用費用が格安料金で年間3000万円だったけど、仮に2000万円でやっていたとしても、赤字になっているのではないだろうか。

「ダイアリーのユーザーが5倍〜10倍になると考えているが、それまでは会員からはお金をとらないで行きたい」とは近藤社長の弁。まあ、変化に対応することが必要なので、あまり固執しないでよいと思いますが。