モジュール型とインテグラル型

藤本隆宏という研究者がいる。自動車産業分析の権威である。アーキテクチャという概念を使って、インテグラル型アーキテクチャ自動車産業はモジュール型アーキテクチャのコンピュータ産業などとは違う。日本はインテグラル型に強みがあり、安易に中国を恐れるな。でも日本の自動車産業も製造現場は強いけど、本社の戦略策定能力は弱いね。というようなことを最近は言っている。

インテグラル型、モジュール型ということを組織論と絡めて大雑把に言うと、前者は内部組織化するほうが優位、後者は外部資源を活用したほうが優位ということになる。

今、消費者発信型サイトに蓄積されるさまざまな情報を、当該分野のメーカーや小売にデータとして販売するという事業の支援をしているが、このような新しいデータは本当に売るのが難しい。

このデータを売るというのはモジュール型の発想で、消費者発信型サイトは情報を集めて加工するところまでは得意です。メーカーはその情報を解釈して製品開発をしたり、小売はその情報を解釈して店舗陳列を考えましょうということだ。が、なかなかデータは売れない。第一に解釈が難しいからだ。難しい理由は他にいくつもあるが今日は書かない。

だとすれば、製品開発をしたり店舗を持ってみるというのは一つの解になるかもしれない。解釈できない人たちにデータを提供するのではなく、自分たちでデータを解釈し、インテグラル型のアーキテクチャに変更してしまうというわけである。