川の向こう

今日は、学会を午前中で切り上げて、川向こうに向かった。

Bundというのは外灘と書く。つまりそこはジンガイの川辺という意味。今は中国やアジア、それに世界各地のおのぼりさんの集まる場所だ。

そこから南に少し歩き、さらに川から少し離れると、そこは豫園という場所。こちらは旧上海城の庭園が残っている。また同時に古き上海庶民の暮らしが垣間見られる場所だ。道端でスイカや豆腐らしきものや蛇まで売られていた。また老人がマージャンをするのを数人が囲んで見ているというような風景も見られた。物の運搬は自転車で行われている。

昨日の日記に書いたのとはまったく違う印象。町の密度が違う。しかもやたらと看板が多く、漢字だけでこれだけ囲まれると圧迫される。またどういうわけか、川のにおいとタイヤの焼けたような匂いが混ざって鼻を刺激する。

庭園を観光したが、あまり落ち着かない。緑が少ないせいと、とがった岩の多いせいだろう。日本庭園やフランス庭園で落ち着いてたたずむといういつものパターンが通用しない。なぜだかせかされた感じですぐに出てしまう。

おやつ代わりにとりあえず目星をつけておいた人気の小籠包やに行き20分並ぶ。蒸しあがった商品は8元で16個も入っている。食った。が、うまくはない。皮が厚すぎる。肉があまりうまくない。肉汁の味を感じられない。しかも分量が多すぎる。なぜ16個かというと、せいろひとつに16個入るからだ。これを半分の8つで売ることはしない。たしかにこれをやると冷えてしまう不良在庫が発生しないのだが、完全にサプライヤーの理論だ。周りの人間はみな全部食っていたので、全部食った。腹が膨れた。

腹ごなしに川べりまで歩き、渡し舟で浦東に戻る。これは庶民の足で、徒歩の人や自転車やバイクの人が乗ってくる。

夜は、連れと一緒に食事をする約束をしていたのだが、腹が膨れすぎて、食事を勘弁してもらった。酒を飲もうということになり、420メートルあるグランドハイアットの87階のラウンジに行った。2度もエレベータを乗り継ぎ、下界を見下ろしながら酒を飲んだが、あいにく土曜日だったので、いつもよりライトアップされる建物が少なかった。