パソコン遍歴

先日、ThinkPad X40を購入した。気がつけば、自身で購入した始めてのWindowsノートだ。1.2GのCPU、512Mのメモリ、40GのHDDで、買値が21.8万円。重さは1.3Kg。せっかくなので、僕のパソコン遍歴を書いてみよう。

パソコンではないが、初めて情報機器というようなものを買ったのは、1989年だ。この年、僕はフランスに留学することになった。向こうではタイプによってレポートを提出しないといけないとわかっていたので、ワープロを買って行くことにした。当時は父がパソコンを持っていたが、MS-DOSの画面はなにやらものすごい難解に見えたので、ワープロ専用機を買うことにした。

当時はNECの文豪と富士通のオアシスと東芝のルポが御三家だったと思う。僕は、フランス語のアクサンなどの記号が打てるという理由とプリンターが一体になっていて携行性に優れるルポを買った。正確には覚えていないが6キロぐらいあったように思う。それを持って飛行機に乗ったがすごく重かった記憶がある。ちなみに値段は18万円とかそれぐらいだったかな。

フランスでは実はMacに出会った。みなMacを使っており、個人のレポートはルポで書いていたが、グループワークのレポートでは僕もそれを使い始めた。印字フォントがきれいなことは記憶に残っている。

帰国後、フランス系のマーケティング調査会社でアルバイトをしていた時もMacを使っていた。ことえりという日本語変換ソフトが出てきて大騒ぎになったが、実は使えなかった。

92年に新卒採用で広告代理店に入ると、そこもやはりMac文化だった。Persuasionというプレゼンテーションソフトを使っていた。エクセルも使っていた。ワープロMac Writeだったと思う。Mac文化と言っても、実は当時は会社全体で一括導入ということではなく、部門予算のなかからプロジェクトに必要な経費ということで、個別に社員がMacを買っていたという時代だ。

するとPowerBookが出た。30MぐらいのHDでモノクロ液晶なのに、65万円とかする代物だ。僕には、はじめて新卒でアップル日本法人に入社したというへんてこな友人がいたので、彼に頼んで社員販売価格でPowerBookを会社に導入していた。それでも40万円近くしていたのではないか。この広告代理店が1人1台のPC、それもWindowsを導入していくのは96年、つまり僕が辞めてからだ。

僕は、93年に初めて自分でPCを買った。アップルのLC475というピザボックスタイプのもので、今でも家の押入に入っている。これでパソコン通信をはじめて、またNetscapeも見て、マスメディアからネットの世界に鞍替えすることになったのだ。このLC475は自分で買ったこともあり、ずいぶんと世話になった。修士論文もこのマックでNizus Writerという参考文献と注がうまく作れるワープロソフトで書いた。

97年2月に入ったアメリカのコンサルティング会社で、はじめてWindowsユーザーになった。支給されたのはA4のThinkPadであった。本当に出張だらけの2年強だったけど、ずっと新幹線とこのThinkPadと一緒だった。ここで、ThinkPadの頑強さとTrackpointの感度の良さを理由にThinkPadファンになったのだ。

そして98年に家に初めてデスクトップマシンを購入することにした。コンサルティング会社などに勤めていたこともあり、やはり「デルだろ」と思い、電話で購入した。6GのHDにCeleronプロセッサが333Mhzだ。これが本体だけで13万ぐらいだったかな。このころから多少はハードウェアに興味が出てきて、モニターだけはナナオのeizoシリーズを買ったりした。実はナナオのモニターが良いのは、デュアルモードがあるからで、当時はまだLC475もつないで使っていたのだ。

99年に今の会社に移ると今度はデルのデスクトップだった。この会社はITを標榜するくせに、なぜか個人の端末がインターネットに接続しておらず、組織内部のファイル共有はできても、ネットにつなぐときは共有端末という別の場所にあるマシンからつなぐ必要があった。これは先代の社長の情報管理の方針が徹底していたからだ。

この情報鎖国に一部の人間が立ち上がり、自席からネットに接続できるとどれだけ生産性が上がるかということを社長に証明するべくプロジェクトを開始した。そのプロジェクトメンバーに対して、自席にPHSでインターネットに接続できるノートパソコンが支給された。見事に彼らはミッションを達成し、2001年の初頭に自席のデスクトップがネットにつながるようになった。

するとよくわからないのだが、よく外出する社員に2台目のパソコンとして、東芝ダイナブックが配られた。全員がノートPC1台になれば良いと思うのだが、ノートは画面が小さくて仕事がしづらいという理由から2台なのだ。僕は外出先ではメールチェックぐらいなので、リブレットという小型のマシンを一時は使っていた。

気がつけば僕も完全にwindowsユーザーになっており、LC475はナナオのモニターから外され、押入に眠るようになった。が、その話を悪友Kにすると、「Macを買いましょうよ」と言われた。これが2002年の夏だ。当時は僕はものすごい精神的にひどい目に遭っており、それを物欲で解消しようと思い立った。また、子供が前の年に生まれていたので、画像・映像編集をするならMacだろ、と90年代半ばの時代錯誤も甚だしい感覚をそのまま持ち込んで、iBookを買った。

ここでも、アップルの友人がまだその会社にいたので、社員販売価格の7万円ぐらいで買った。僕はそもそも画像・映像のセンスがないし、ハードもソフトもそれほど凝るタイプの人間ではないので、iMovieなどというソフトを使って映像編集をしたのはただの3回ほどだった。でもiBookの購入を期に、家の中に無線LANを導入したので、仕事ではない気分にさせてくれるiBookで面白サイトのネットサーフィンをずいぶんとするようになった。ちょうどBlogが出始めたのもこの頃だ。

2003年になり、さすがにデルのマシンも5年たつと古くなる。そこでeMachinesのテスクトップを購入したのが2003年8月だ。2.2GのCPU、512Mのメモリ、80GのHDDで6.5万円という安さだった。デルにはトラブルが皆無だったので、またデルにしようと思っていたのだが、悪友Kが「eMachinesにしろ」としきりに言うので、買ってみたら、直後にGatewayに買収された。すばらしい会社だ。

で、今回がThinkPadX40というわけ。

都合、長期の利用歴ということで言うと、
Macが1社目、LC475、iBookで3台
Windowsが2社目、3社目、今回のThinklPadで3台ということになる。