自転車

愚息の4才の誕生日のプレゼントは自転車である.16インチ.ブランドはJeep.オンラインショップを始めたら,そちらの売上が予想外に伸び,結局実店舗をたたんでしまったというナチュラムから購入.

新たな事実を発見した.それは彼が驚愕すべきほどのスピード狂かつ遠心力フェチであるということ.

「おー,うぉーうぉー,がぁー」という類の文字としてはなかなか表現がむずかしい嬌声を発しながら,彼は団地の中の坂道をブレーキをかけることなく転がり落ちていく.このままだと車道につっこむという直前になるとブレーキで速度を落とすが,あの加速度のかかる時の嬌声は,何らかの知的発見をしたときの一種の興奮状態時に出る声とは違う.

また彼は遠心力フェチでもある.スピードを出しすぎで,左コーナーを曲がりきれずに,補助輪なんてお構いなく転倒し,自転車右側へと体ごと放り出される.平気で2回転ほど転がり,木立につっこんですりむく.これは泣くかなと駆け寄ると,全然平気で,「ひー,はっはっはー」とか言いながら,「こけたー.でも泣かない」とこんな調子である.「スピードを出したまま曲がるとこけるよ.カーブの前でブレーキをかけろ」と教えても,何度か放り出される快感を引き続き味わうのだった.

とにかく彼は生まれて以来最高のおもちゃを手にいれたようだ.