540億円のTV広告無駄打ち

テレビCMの価値が奈落の底--ネットとHDDレコーダーで加速 - CNET Japanによれば、540億円分のテレビ広告は見られなかったらしい。具体的な金額が出るとかなり生々しく、イメージも湧くので説得力が増してくる。

この記事を読んで540億円の算出ロジックを見ながら、思い浮かんだことを書いておく。

現時点の世帯普及率9%という段階でHDRを持っている人というのは、普通の人よりテレビ番組を見る人ではないか。僕の周りにはどちらかというとメカ好きで買っている人が多いし、基本的に世帯所得の高い人はテレビの視聴時間は少ないから逆ということもあるのだろう。が、この仮説が正しいとすると記事中の「平均録画消費率」ってのはHDRの世帯普及率が上がった段階での母集団では下がるから、64.3%×34.2%×11.8%=2.6%だけど、世帯普及率が倍になっても無駄打ち比率は倍にならないだろうといこと。

もう一点は、録画後に見られている番組は、ゴールデンタイムやプライムタイムの番組が多いだろうから、テレビ広告金額ベースで考えると単純な2.6%よりも大きくなるだろうということ。仮に1.5倍とすると3.9%で無駄打ちの金額も1.5倍で810億円。2倍と考えると、1080億円。ネット広告全体の半分だから、まあ、かなりの金額である。

どちらにしろ、このNRIのリリースはかなりの反響をもたらすのではないだろうか。http://www.nri.co.jp/news/2005/050531.html