Long tailの図解

sameo2005-08-11

たまたまThe Long Tailのページをみていたら、
The Long Tail - Wired Blogs
というエントリーがあり、わかりやすい図があがっていた。棒は左から、商品数、売上、利益となっているのだが、図の黄色の部分がOnline-only inventoryというところがミソなのだ。

  1. You can offer many more products.
  2. Because it is so much easier to find these products (thanks to recommendations and other filters), sales are spread more evenly between hits and niches.
  3. Because the economics of niches are roughly the same as hits, profit is spread as evenly as sales.

とも言っている。

視聴率もLong tail? - sameoの生活断片

ちょうど最新号の東洋経済にも紹介されていたアマゾンの販売量の集中(分散)度が有名であるが、そのケースだと販売量上位10万位までで60.8%の売上、逆に10万位以下の230万位までの売上が39.2%である。ここでポイントは230万という絶対値の大きさにあるのではないか。ちなみにブックファースト渋谷店は70万冊だそうだ。

と書いたが、理解は正しかったようだ。

最近の勉強

最近は英語で書かれた論文を読んでいることが多い。自分の場合、リサーチ対象は決まっているのだが、それをどう論文として裁くかという問題にぶつかっているので、この際、自分が専門とする分野のものを網羅的に見てみようと思っての判断だ。

まず、とっかかりにどのジャーナルから当たるかについてだが、これについては以前の経験から

  • International Journal of Electronic Commerce

としてみた。これは1997年に刊行されたものだが、自分の研究領域に関係があると思われるものをタイトルだけからピックアップ。その後、アブストラクトに目を通し、読むべきものをピックアップ。そして精読する。特に過去の研究についてのリファー部分はメモを作りながらやるので、時間がかかる。私は英語でモノが考えられないので、結局ここで和訳したメモを作っておくことが長期的にみた場合に時間の節約になると思いやっている。そして作ったメモははてなグループにアップロードする。これで検索機能などが使えるようになる。英文で30枚を越える論文や、リファーされた論文数が多いものだと1日に2つほどしか進まない。

そして参考文献のリストや本文中の要約を参考にしながら、他の論文誌に掲載された論文を当たる。自分の場合、キーワードとしては

  • intermediary
  • infomediary
  • virtual community
  • trust
  • social capital
  • electronic commerce
  • business model

というあたりになるのだが、結果として以下のようなジャーナルとの関係が多くなってくる。

  • Electronic Markets
  • Journal of Organizational Computing & Electronic Commerce
  • Marketing Science
  • Journal of Consumer Research
  • Journal of Interactive Marketing

social capitalについては

  • Academy of Management Review
  • Economic Journal

などと経営から経済へと少し広がってくる。

あと、ビジネスへの影響ということを考えない方向に広げると、

  • Journal of Computer Mediated Communication

は外せない。

ここで意外なのは、

というIS系の雑誌があまり入ってこない点。まったくリファーされていないということはないのだが、消費者を相手にして考えるマーケティングやインターネットというインタラクティブなメディア研究には消費者という話が自ずと出てくる一方で、IS系は企業に働く個人(従業員)という観点から物を見ているからなのだろうか。

とりあえず、EC研究の側からはそこそこのものは集め終わり(DBをつくるのがけっこう骨が折れるが、英語から離れられ機械的な作業となる時間なので、Internet Radioで80'のRockを聞きながら少しずつやっている)論文も20程度は精読してみた。素朴な感想としては、MITの97年〜00年頃までの研究は非常に優れている。Trustの中身の議論は一切すっ飛ばしている。消費者のメリットについてもefficiencyでしか語られない。モデルのパラメーターを増やしてもっと精緻になっただろうというのがお好きな人がけっこう多いのね、というあたりか。

ということで、お盆明けにはこれらの2つのジャーナルについて、International Journal of Electronic Commerceでしたのと同じことをしてみようかと思っている。その時には最近ちょいと気になっている

  • Decentralization
  • Centralization

というキーワードでも見てみようと思っている。