テレビ誌の表紙を飾るSMAP

本屋で雑誌を買って、レジの脇にあったテレビ雑誌の表紙を見て驚いた。5冊並んでいるうち4冊までの表紙がSMAPだった。テレビタロウ以外のテレビガイド、テレビブロス、テレビぴあとあともう1誌(名前失念だが、おそらくザ・テレビジョンと思われる)の4誌がそうだった。

テレビガイドとテレビブロスとテレビタロウはいずれも東京ニュース通信社のものだから、あとの2誌はぴあと角川書店ということになる。だから東京ニュース通信社に固有の制作コスト削減の問題ではないと思う。この前提で話をする。

4年ほど前にテレビ周りの仕事をして、この手の雑誌がどうなるのかを考えたことがあった。EPGなんかが出てきた時代だ。でも当時はまだEPGなんか使う人はそれこそ、1%とかそういう時代だった。むしろ「新聞を読まない若い世代ではテレビ誌というのはものすごい売れている」という話をまさに東京ニュース通信社の人から聞いた。

あれから4年たった。その後の部数の推移は調べれば分かるだろうが、推移を調べるのは一手間かかるので、やめておく。

むしろ今回の素朴な感想は、4誌の表紙がすべてSMAPだったことと、SMAPというのが4年前にもトップアイドル(アーティスト?)だったということだ。そこからの推論は、テレビというのはSMAPより下の世代には見られていないのかもしれない、ということだ。

テレビコンテンツを牛耳っているのが、ジャニーズと吉本であるというのは周知の事実だが、今朝の日経新聞には、吉本興業が番組制作に進出し、地方局にコンテンツを提供すると出ていた。流す経路を増やしたいという事情が彼らにもあるのだろう。

で、先日久しぶりにSMAP×SMAPを見ていたら、中居正広演じる「ダメ人間」というコーナーがあった。このキャラクターには本当に共感を覚えるのだが、それは今日はおいておいて、「ダメ人間」とはいいつつ彼は社会や人間と積極的に関わっている。つまり社会性はあるがダメな人間なのだ。なにしろ職業は刑事だ。

NEETのような今時の「ダメ人間」と、ここで描かれている「ダメ人間」は違う。最近、ある場で思い出した「反社会的」と「脱社会的」ということで言えば、NEETは脱社会的で中居くん演じる刑事は反社会的なイメージに近い(反社会的な刑事というのが面白いわけだ)。

で、これも妄想かもしれないが、「あー、NEETってテレビも見ないのね」というのが私の感想だ。脱社会的な人間の共感を得ようとしても視聴率が取れないから、そんなもんは作らないというわけだ。