『希望格差社会』 −「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

家にあったので、目次だけ眺めて見てのいい加減な物言い。

社会がリスク化している。→それに対応できる人とそうでない人とに分かれる。→それは基本的には情報格差。→その情報格差を縮めるのが教育だが、家庭教育も学校教育もその格差を是正できないだろう。→リスクに対応できる人は希望を失わないが、そうでない人は希望を失い、それによって日本は分断される。

全体として、きっちりしたデータをベースとしているし、論理展開には納得も行く。ただ、一つコミュニケーション技術の革新という視点が弱いという印象は持った。これまでの分析だけではなく、少なくとも将来予測とそれに向けての提言をするならもう少し技術について突っ込んで欲しい。

ただ、仮に技術の視点を入れたとしても結論は変わらないのかもしれない。明らかに私の周りには希望がある人が多い。彼らの情報リテラシーは日本全体のなかで上位0.1%〜0.5%(10〜50万人)程度に入るだろう。また携帯電話のみでのネット接続をしている人は所得が低いというデータもある。「ケータイを持ったサル」という人もいる。一方で、「スマートモブズ」という人もいる。

まあ、先のことはよくわからないのだが、こんなことは言えるのではないだろうか。

  • 技術(ICT)では端末機器の画面や入出力のユーザーインターフェースが一番ポイントになる
  • すごいインターフェースがここ3年ほどで商用化されれば、2020年ごろにはかなり様相は変わっている。そして誰でも使えるインターフェースゆえ希望格差もさほど広がっていない
  • そんなインターフェースが出てこなければ、様相の変化は2030年ごろまでかけてじわじわ進む。そしてリスクに対応するために情報を取りに行く人だけがしょぼいインターフェースでも無理して使うから希望格差は広がっている